Coca-Colaも参加する「Better than Cash Alliance」 現金よりいいものって一体?

2016 / 4 / 5 | 執筆者:野澤 健 Takeshi Nozawa

m-pesa
photo by Michael Bumann

米Coca-Colaが参加する「Better than Cash Alliance」というイニシアチブがあります。

Better than Cash Alliance
https://www.betterthancash.org/

直訳すると「現金よりいい」。
何が現金よりいいのか、わかりますか?

参加団体には、マスターカードやVISAなどの企業のほか、
CitiやFord、ビル&メリンダ・ゲイツ財団といった財団や
米国国際開発庁(USAID)やUNDPなどの開発援助機関がいます。

答えは、
途上国における電子決済・モバイル金融を推進するイニシアチブ。

現在、世界では約1/3の人が正式な金融サービスを利用することができません。
途上国の貧困層に限ると、その割合は80%にまでのぼり、
人々の金融へのアクセスを高める
金融包摂(financial inclusion)が大きな課題となっています。

金融サービスが利用できるようになることで、
様々なメリットがもたらされます。

これまで対面でしか現金の授受ができなかったところ、
離れていてもサービスのやり取りが受けられるようになります。

都市部にある銀行や政府機関の窓口に
長い時間と高いお金をかけて通わざるを得なかった農村地域の人々は、
低コストで支払いや払い戻しが受けられるようになります。

現金を家に置いておくリスクも減り、
貯蓄へのインセンティブも高まります。

成功事例とされているのが、英ボーダフォンが
ケニアの移動通信事業者サファリコムと立ち上げたM-Pesaです。

SMSメッセージでのやり取りを通じて、
お金の預金や送金、現金との交換が簡単にできるこの仕組みは、
現在12ヵ国以上に広がっています。

それではなぜ、Coca-Colaがこのアライアンスに参加したのでしょう?
それは特に女性にとっての恩恵に着目をしたためです。

同社は5by20というバリューチェーンを通じて
500万人の女性を経済的にエンパワメントするという取り組みを推進しています。

電子決済はお金のやりとりに関する秘匿性を高めます。
すると、これまで資産に対する権限がない状態に置かれていた女性たちが
より主体的に資産を管理できるようになり、
経済参加の促進につながると言われています。

女性は男性に比べ、家族や地域にお金を再投資する割合が高く、
女性の資産へのアクセスが高まることで、生活向上につながっていくことが期待されます。

現金を大量に持ち運べない難民の人々にとっても、
モバイル金融の仕組みは有効だと思われます。

カナダへのシリア難民受け入れをサポートするLifeline Syriaの計画の一部として、
現地通信キャリア大手のWIND Mobileが
携帯電話と2年間の基本利用料を無料で提供することを発表しましたが、
たとえばそうした取り組みとモバイル金融を組み合わせることで
よりよい支援が提供できるのではないでしょうか。

このエントリーをはてなブックマークに追加