紛争鉱物対応の先進企業へ Intelが取り組む若者向けブランディング 

2016 / 2 / 29 | 執筆者:野澤 健 Takeshi Nozawa

Father and son
photo by Julien Harneis

PCに搭載されるマイクロプロセッサなどを製造している米国のIntel。
同社はコンゴ民主共和国や周辺国で産出された紛争鉱物への対応で
他社の一歩先を行く取り組みを行っています。

2016年1月。Intelはすべてのマイクロプロセッサが
「コンフリクト・フリー(紛争鉱物不使用)になった」
と発表しました。

それだけでなく、今年中にすべてのIntel製品から
紛争鉱物をなくすことをCEO自らが宣言しています。

Intel’s CEO Reveals The Company’s Plans To Build A Conflict-Free Supply Chain By 2016
http://www.fastcoexist.com/3034867/intels-ceo-reveals-the-companys-plans-to-build-a-conflict-free-supply-chain-by-2016

Intelが紛争鉱物の対応に取り組み始めたのは4年前。

サプライチェーンを遡り、
採掘した鉱石から金属を精製する製錬所に対して
紛争鉱物が使われていないことを示す認証の取得を働きかけました。

最初は鈍かったサプライヤーの動きも、
企業に紛争鉱物の使用に関する情報開示を求める
ドット・フランク法が米国で成立したことが後押しになり、
現在ではサプライチェーンの159の製錬所のうち97か所が認証を取得するに至っています。

それでも、前職でサプライチェーンを担当していた現CEOは、
「製品すべてを紛争鉱物フリーにする目標の達成可能性は75%程度」
と取り組みの難しさを語っています。

Intelの取り組みで特徴的なのは、
BtoB企業でありながらブランディングに力を入れている同社らしく、
紛争鉱物フリーであることを積極的に企業イメージに結び付けようとしている点です。

こちらは、Intelが米国のミレニアルズ世代(80年~00年生まれの世代)
500人を対象にして行った紛争鉱物への関心を訪ねた調査結果です。

intel
http://download.intel.com/newsroom/kits/ces/2016/pdfs/Intel_Conflict_Free_Research.pdf

・10人中9人が企業は社会に対してよい影響を与えるべきと考え、
うち8人が自身も消費者として社会に悪影響を与えない製品を選ぶ責任があると考える

・紛争鉱物については1/3しか聞いたことがない

・責任ある調達については半数が聞いたことがある

・10人中8人が紛争鉱物が使われていないことがラベルで表示されていると選択する上で助かる

調査の結果、紛争鉱物そのもの、
また紛争鉱物に先進的に取り組んでいる企業に対する認知が低いことがわかりました。
Intelはそれをチャンスと考え、ミレニアルズ世代の中での
紛争鉱物対応の先進企業としての地位を確立しようとしています。

実際に、Intelの取り組みを聞いた後、
2/3が評価を向上させ、8/10が絶対的によいと評価し、
7/10が他社も追随すべきと回答したそうです。

EUでの紛争鉱物の法制化もいよいよ最終段階に入り
ますます国際的な要請が高まることが確実ななか、
今後どのように目標達成に取り組んでいくのか注目です。

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