ステークホルダー・ダイアログの新時代

2016 / 1 / 7 | 執筆者:野澤 健 Takeshi Nozawa

improvement dialogue
photo by Jurgen Appelo

企業と社会フォーラム(JFBS)発行の
持続可能性と戦略 Sustainability and Strategy」のなかに、
NECのステークホルダー・エンゲージメントに関する論文が収録されています。


持続可能性と戦略 Sustainability and Strategy(15年9月発行)
「企業と社会の相互作用としてのステークホルダー・レビューによる
CSRの経営への統合化促進―NECのケース」

先日、執筆者である国際社会経済研究所の鈴木均さん、遠藤直見さんと
意見交換をさせていただく機会がありました。

NECのステークホルダー・エンゲージメントの特徴は、
ステークホルダーとの対話を「レビュー」と位置付け、
CSR経営を実践していく上での継続的なプロセスとして取り組んでいることです。

具体的には、

・労働や消費者、人権など各分野の専門家で構成されるNPOと
2011年からISO26000をベースに継続的にレビューを実施
・CSR担当役員や各主管部門が参加、提言に対する改善計画を策定しレポートで開示
・改善状況を次年度のレビューで検証

というサイクルを回していき、2014年度からは経営への統合を視野に
経営戦略そのものの社会視点でのレビューも実施しています。

2015年のステークホルダーレビューの様子
http://jpn.nec.com/csr/ja/stakeholder/iso_review.html?

ISO26000をレビューのベースとする点も特徴的で、
チェックリストや参考書として使う企業は多いですが、
こうした活用方法は国際的にも注目されているようです。

この形の発展形としては、外部有識者による(を交えた)
サステナビリティ・ボード(アドバイザリー・パネル)があります。
(あるいはイオンがUNEP FIの末吉竹二郎氏を迎えたように
社外取締役として経営に参画してもらうケースもあります)

マークス&スペンサーやユニリーバ、GEなどは
それぞれボードを設置してサステナビリティ戦略の
定期的なレビューを実施しています。

人選にあたっては、その企業のマテリアルな課題に対して適切な助言ができることが必要です。
たとえばAir New Zealandのパネルにはマオリ文化に詳しい人類学者が入っています。

エコネットワークスでも年に数回
ステークホルダーとのダイアログのご支援をしていますが、
特にここ数年でそのあり方が変化してきていると感じます。

NECのように継続性とPDCAサイクルを重視し、経営への統合につなげていくパターン。
潜在課題を可視化して社内での位置付けを明確にし、行動の足がかりにつなげていくパターン。
同一テーマで社内各層で順に実施し、社内浸透・変革につなげていくパターン。

昨年末にはAccountAbilityのステークホルダー・エンゲージメント・マニュアルの
最新版も発行されました。
the AA1000 Stakeholder Engagement Standard (AA1000SES)

報告書に掲載するためのダイアログではなく、
変化の起点としてのダイアログを、私たちもご支援しています。

※ステークホルダーエンゲージメントの最新事例はこちら
→ http://www.econetworks.jp/service/engagement/

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