スイス・リーにみる「リスク」の情報開示

2015 / 9 / 3 | 執筆者:野澤 健 Takeshi Nozawa

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photo by GotCredit

統合報告を進めていく上で、ポイントの1つとなるのが
「機会とリスク」に関する記述です。

アニュアルレポートにおける日本企業のリスクに関する記述は
不十分と指摘されることが多く、
どう開示していこうかと悩まれている企業さんも多いと思います。

リスクに関する報告で最近面白いなと思ったのが、
世界第2位の再保険会社SwissReです。

元々がリスクを専門に扱う会社なので当然といえば当然なのですが、
さまざまなトレンドを踏まえどのような新興リスクがあるかを
常にウォッチしていることを伝えています。

たとえばウェブでは、RE THINKINGという
新興リスクをテーマにしたコンテンツを提供しています。

2014年版のCSRレポート
にあるリスクに関するコラムでは、
「自動運転技術」が取り上げられていました。

「交通渋滞の緩和」「事故防止」などポジティブな可能性に
注目がいく自動運転技術ですが、企業にとってはリスクの側面もある。

保険会社にとってみると、安全が高まり事故リスクが減ることは
保険料や契約者数に大きな影響を与える。
また自動車メーカーにとっても、技術への期待・役割が高まることで
事故が起きた際にはより企業側に責任がのしかかってくることになるため、
新たな訴訟リスクを抱えることにもつながる。

さらにこの技術がどのように実社会に適応していくかは
ユーザーの選択(どの技術を使用するか)や所有の範囲(カーシェアなど)によって
様々な組み合わせが考えられるため、保険の仕組みなども非常に複雑なものになり、
動向をしっかり注視していく必要がある。

そのようなことが述べられています。

その他にも、創業150周年記念として、
従業員と行った写真コンテストも面白いです。

リスクをテーマに従業員とエンゲージメントを行う手段として
「自然災害」「食糧」などをテーマにした写真コンテストを行い、
世代によってリスクがどのようにとらえているかを可視化することを試みています。

リスクの開示については、たとえば
リスクと収益を一体化して管理するリスク・アペタイト・フレームワークを使って
実際どうマネジメントしているかをしっかり見せていくというやり方もありますが、
こうしたリスクに対する感度を示すという方法も考えられます。

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