2030年世界の淡水は40%不足、中国の水汚染防止行動計画、ネスレの水を使わない工場

2015 / 4 / 30 | 執筆者:野澤 健 Takeshi Nozawa


photo by Matt Berlin

2030年には、世界の淡水が40%不足する」

3月22日は国連が定める「世界水の日」でした。
上記は同日発表された「世界水発展報告書2015」において
示された予測です。


The UN World Water Development Report 2015, Water for a Sustainable World

報告書では水の需要が増えている原因として、
人口増加や都市化の進行、住宅の大型化、肉の消費拡大、
自動車やエネルギー消費量の多い機器の増加などが挙げられています。

一方、干ばつなどによる水不足も世界各地で深刻化しています。
最近では米国カリフォルニア州で家庭にも
25%の節水を義務付けることが発表されました。

対策に関する最近の動きでは、大きなものでは
中国で4月2日、「水汚染防止行動計画」が発表されました。

これは2013年に発表された「大気汚染防止行動計画」に続く
汚染対策に関する大規模な施策です。

基準に違反した製紙や印刷、農薬企業などの操業停止や
2020年までに都市の飲料水供給の93%を
飲み水として安全なレベルにするなどの
水質改善に関する長期的な目標値を定めています。

ただし施策の実施にあたっては、
大気汚染防止行動計画ほどの
政府からの大きな財政支出は予定されておらず、
民間の力に頼る形となるそうです。

それでも直接・間接のGDP押し上げ効果は
5.7兆元(約1兆円)に達すると予測されています。

また企業の動きでは、4月27日に発表された Global Water Awardsで、
ネスレが水スチュワードシップ賞を受賞しました。

これは2011年から毎年行われている水に関する取組みを表彰するもので、
総合大賞のほか、排水、リユースなど12の部門に分かれています。

ネスレが受賞したのは、メキシコで操業する
地下水を使用しない乳製品工場。

なんと牛の生乳から水を抽出し、利用するというものです。
この技術を今後、インドや中国など
水不足の地域の工場に展開するとしています。

水に関する問題は、日本にいるとどうしても
世界の感覚についていきにくいところがあります。

アンテナを高めたい方は、水ジャーナリスト・アクアコミュニケーターの
橋本淳司さんの週刊「水」ニュース・レポート
面白く勉強になり、おススメです。

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