国際連合貿易開発会議、ポストMDGsに向けて後発開発途上国の現状を分析

2015 / 1 / 23 | 執筆者:Yurie Sato 佐藤百合枝

UNCTAD LDCsREPORT

2015年はミレニアム開発目標(MDGs)の達成期限年です。

国際連合貿易開発会議(UNCTAD)は、2014年11月に、
MDGsの達成が最も困難だとされている
後発開発途上国(LDCs)に関する報告書を発行しました。

LDCsは、アフリカ34カ国、アジア9カ国、太平洋地域4カ国、カリブ海地域1カ国の48カ国から構成され、
国連の経済社会理事会(ECOSOC)によって
所得水準、健康や就学率など人的資源、経済的脆弱性の
3つの基準を元に3年ごとに
見直されます。

UNCTAD によると、2008年から2012年で
LDCsは平均5.7%の成長率を達成したにも関わらず、
ほとんどの国で2015年までの国際開発目標である
ミレニアム開発目標(MDGs)の達成は不可能としています。

LDCsが、経済発展とともに保健・教育などの人間開発を進めるために
必要なこととして本報告書が指摘しているのが、以下の3点。

(1)経済発展が人的資源の向上に結びつき、
相乗効果が生まれる好循環を作りだす必要性。(所得の向上など)
(2)労働生産性の向上と、小規模農業など生産性の低い産業から、
付加価値の高い知識集約型サービス産業や生産性が高い製造業などへの労働力の移行。
(3)これまで見過ごされてきた、経済構造変革のための政策枠組みを導入。

また、LDGsの人口の多くは女性であり、特に途上国の農村部では、
女性の活躍が社会・経済発展に大きく寄与するため、
UNCTADでは、新たな国際的女性支援策の策定も提案しています。

2015年以降の開発目標である持続可能な開発目標(SDGs)では、
2030年までに貧困の撲滅というさらに高い目標が掲げられており、
その達成には、LDCsの国々が開発課題の解決につながる経済成長を
遂げることができるかどうかがカギになっています。

MDGsは貧困削減を中心とする8つの目標と21のターゲット
を定めていましたが、
SDGsは2020~2030年までを視野に、
MDGsを発展継続させた17の目標と169のターゲットから構成されます。

2014年7月、代表国70カ国で構成する国際会合 「Open Working Group(OWG)」が提案した目標は、
貧困と飢餓の終焉、健康と教育の改善、都市の持続可能性向上、
気候変動対策、海洋と森林の保護など、幅広い課題をカバーしており
ターゲットには、エネルギー効率の倍増や1人あたりの食品廃棄物量の半減、
飢餓と栄養失調の撲滅をはじめとして、
司法へのアクセスなど各国の政治体制にかかわる内容も組み込まれました。

現在、2015年9月のSDGs採択に向けて
上記の提案をもとに具体的な目標について政府間交渉が行われており、
最も脆弱な国のニーズに配慮した目標設定が期待されます。

 

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