フランスの労使合意 6時以降、仕事のメールは×

2014 / 4 / 16 | 執筆者:野澤 健 Takeshi Nozawa


photo by RaHuL Rodriguez

業務終了後の6時以降は、仕事のメールはしないように―

ノートPCやスマートフォンの普及によって
時間や場所にとらわれず仕事ができるようになり
生産性、利便性が向上した反面、
いつでもどこでも仕事のことが頭から離れない、
仕事から解放されないように感じている方も
多いのではないでしょうか。

バカンスや有給を取得することが働く人の権利として尊重され、
法定労働時間も週35時間と定められているフランスでも、
状況は同じようです。

今月始め、6カ月に及ぶ交渉の末、
労働団体(フランス民主労働総同盟CFTDとフランス労働総同盟CGT)が
エンジニアやコンサルタントの業界団体(SyntecとCinov)と、
業務時間終了後は従業員を携帯やメールなどの
仕事のやりとりをする通信手段から解放するとした
労使合意を結びました。

フランス語
Mails, SMS, téléphone : Syntec reconnaît le droit des cadres à la déconnexion
英語
When the French clock off at 6pm, they really mean it

協定の対象となるのは、時間単位ではなく、
日単位での契約形態となっているいわゆる管理職層。
2団体に加入する100万人のうち、25万人ほどに影響が及び、
FacebookやGoogleのフランス拠点なども含まれます。

フランスでは、失業対策などの観点から、
1999年に週の法廷労働時間を35時間以内とすることが
定められましたが、前サルコジ政権の下で労働改革が進められ、
2008年には各企業ごとに労使交渉で合意すれば、
時間外労働の拡大が可能とする法案が可決されました。

一方、EUの労働指令では最低連続11時間の休息期間を
設けるよう定めていますが、情報機器の拡大により
休息時間を充実して過ごすことができないといった問題も指摘されています。

こうした状況の中で、労働団体側は、
今回の合意は労働者の健康面や生活の充実の観点から、
「デジタルでの仕事が主で日単位での契約となっている層にも法的な保証をする」
ことを目的に交渉を進めたと述べています。

雇用形態が多様化し、IT化により従来の労働時間の概念が
意味をなさなくなってきている状況の中、
ただでさえ働き過ぎで休むことが苦手な私たち日本人は、
「働くこと」と「休むこと」の意味をもっと一人ひとりが
考えていく必要があるのではないかと思います。

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