米国自然派・環境系ブランド 化学物質の規制強化を要求

2014 / 1 / 10 | 執筆者:野澤 健 Takeshi Nozawa

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ASBAのサイトより)

米国で、化学物質の安全性に関する
法規制強化の動きに対し、規制強化を支持し、
推進する企業グループが発足しました。

ASBC Announces ‘Companies For Safer Chemicals Coalition’
http://asbcouncil.org/asbc-announces-%E2%80%98companies-safer-chemicals-coalition%E2%80%99

グループの名称はCompanies for Safer Chemicals。
自然派用品ブランドを展開するSeventh Generationと、
パタゴニアなどが参加するAmerican Sustainable Business Councilが
中心となり設立されました。

安全基準などの法規制の強化が検討される場合、
通常規制される側はロビイング活動などを通じて
規制強化に反対しますが、
この企業グループはオンライン署名を通じて賛同企業を募り、
業界の抵抗により遅々として進まない
規制強化の迅速な実行を求めています。

米国の化学物質の安全管理は、1976年に制定された
Toxic Substances Control Act (TSCA)に基づき
行われていますが、この法律はこれまで一度も
改正がされていません。

現在市場に出回っている化学物質は約85000種類。
毎年約1000種類が新しく市場に投入されていますが、
投入前の安全検査は義務付けられていません。

またこの40年で、EPA(米国環境保護庁)により危険性が確認され、
規制されたのはものはわずか5件のみ(調査中が195件)です。

昨年、企業に事前の安全検査を義務付けることなどを柱とした
改正法案Chemical Safety Improvement Act (CSIA)が
提出されましたが、この改正案では不十分として、反対の声も多く寄せられています。

同グループも、

・現状のEPAの体制では、検査にしっかり対応できる能力が十分にない
・EPAの検査に合格したことによって、より厳しい内容を定めた州法を無効にしてしまう
・市民が安全情報にアクセスする権利が保証されていない

などとして、一層の強化を求めています。
(声明:Business concerns with the Chemical Safety Improvement Act of 2013(CSIA)

化学物質の問題は、日本でも昨年、
柔軟剤の臭いにより体調不良を訴える人が急増していることが、
国民生活センターから発表され、問題になりました。

原因となる物質は特定されていませんが、
室内空気中の揮発性有機化合物の比率が、
強い香りの柔軟剤を使用するほど上昇することがわかっています。

発表では、消費者に対しては

「商品を選択する際に、表示を参考にしましょう」
「自分にとっては快適なにおいでも、他人は不快に感じることも
あるということを認識しましょう」

とアドバイスし、業界には

「においが与える周囲への影響について
配慮を促す取り組み(注意表示や啓発活動)を要望します」

と述べるにとどまっています。

化学物質の使用は、今後も減っていくことはなく増え続け、
様々な問題が発生し、深刻化していくことが考えられます。
より抜本的な議論や対策が期待されます。

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