世界はどこを見ているか EIRISの世界2000社サステナビリティ分析

2012 / 6 / 5 | カテゴリー: | 執筆者:野澤 健 Takeshi Nozawa

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photo by Artois Bibliothèques

今月開催されるリオ+20に向けて、
英国の調査機関EIRISが世界の大手企業の
サステナビリティへの取り組みを評価した報告書を発表しました。

“On track for Rio+20? How are global companies responding to sustainability?”
http://www.eiris.org/files/research%20publications/EIRISGlobalSustainbailityReport2012.pdf

対象となったのは、
FTSE All World Developed(AWD)インデックスに含まれる2063社。
また時価総額が上位の50社にしぼった分析も行われています。

環境・社会・ガバナンス(ESG)の側面での正と負の影響、
リスクをどのように把握し、管理・対処しているかを調べ、
A~Eの5段階でランク付けをしています。

1位になったのはドイツのプーマ(Puma)。
2位~10位までは以下の通り。

英国のバス・鉄道企業ファーストグループ(FirstGroup)。
豪州のナショナル・オーストラリア銀行(National Australia Bank)。
製薬企業の英国グラクソ・スミスクライン(GlaxoSmithKline)。
同スイスのロシュ(Roche)。同ノバルティス(Novartis)。
オランダの電機メーカーフィリップス(Phillips Electronics)。
ドイツ證券取引所(Deutsche Boerse)。
デンマークの製薬企業ノボノルディスク(Novo Nordisk)。
英国のゴ・アヘッド・グループ(The GoAhead Group)。

地域別では欧州企業が上位のほとんどを占め、
アジア企業はごくわずか。

業種別でみると、ヘルスケアや代替エネルギー事業などを
行っている企業は評価が高く、資源採掘系など
そもそもの事業が持続不可能な企業は
評価が低い傾向にあります。

またイシューとしては、人権や労働に関する項目に
取り組んでいるかどうかが、高評価を得るかどうかの
分かれ目になっています。

トヨタは環境では高い評価を得ていますが、
人権やサプライチェーンの労働基準への取り組みが
不十分としてC評価です。

途上国で操業する企業では、
汚職への対処が十分できているかも重要です。

製薬企業は全般的に評価が高いですが、
その中でも持続可能な水管理に取り組んでいるかどうか、
薬へのアクセスを容易にしているかが評価のポイントとなっています。

世界は何を見ているかという点で、こうした調査は参考になります。

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