意志あるところに道は開ける―音声入力ソフトの活用

2013 / 9 / 11 | 執筆者:EcoNetworks

大ケヤキ2012年の9月から8ヶ月、私は病気療養のため入院していました。その期間中に受けた治療で使用した薬の副作用のため、今年の4月末に退院する際に、手足に強いしびれが残りました。翻訳を仕事とする者にとって、これはかなりのショックです。具体的には、パソコンのタイピングに以前の3倍時間がかかるようになってしまったのです。ミスタイプも多く、頭を抱えてしまうほどでした。

でも、私の中に仕事を辞めるという選択肢はありませんでしたので、「何か方法があるはず」と考え始めました。そして、10年以上も前の出来事を思い出したのです。

目の見えない知人が大変上手にメールでお返事をくださるので、「どうやってメールを書いていらっしゃるのですか?」と、尋ねました。すると彼は「音声入力ソフトが、僕がしゃべる言葉を入力してくれるんですよ」と、実際に目の前でやって見せてくれたのです。彼は、届いたメールを音声で読むことにもソフトを活用していました。日本独自で開発された点字ブロックを海外に紹介するなど、大変活動的な方で、こういうツールが彼を支えていたのだなぁと感心しました。

IT関連に強い知人に「音声入力ソフトでオススメのものありますか?」と尋ねたところ、ドラゴンスピーチという製品を紹介してもらい、早速購入しました。これがとても便利なのです。ヘッドセットのマイクの位置をきちんと調整することがとても大事なのですが、誤字脱字が少なく、大変正確です。おまけにパソコン操作も音声入力でできるので、究極に使いこなせば全くハンズフリーで仕事が出来ます。

翻訳に関しては、画面の半分に翻訳する原稿を、反対の半分に翻訳用の新規ファイルを開いて、原稿を見ながら口頭で訳出します。ある程度のまとまりで区切って、日本語の文法にとらわれず、頭からどんどん訳していきます。その後、読みやすいように適宜場所を入れ替えます。原稿から目を離すことがないので、訳もれがない! これは思いがけないうれしい発見でした。それに、長年の悩みだった肩こりからも解放されました。

最近は、しびれも少しずつ良くなり、タイピングも以前より速く正確にできるようになりました。手のリハビリになるので、その時の調子に応じて使い分けています。

たとえ体がどんな状態であっても、自分を取り巻く環境が困難であっても、やりたいことをあきらめない。Where there is a will, there is a way. 意志あるところに道は開ける。

そう信じて、これからも進んでいきたいですし、自分の周りの方も応援していきたいと思います。

追伸: 脚のリハビリも順調です。トップの写真は、坂道トレーニングの中間地点にある神社の大ケヤキ。緑の葉が風にそよぐのを眺めてひと休みしたら、帰りの下り坂に挑戦です。

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