イギリス、シューマッハカレッジへの旅

2019 / 1 / 21 | 執筆者:EcoNetworks Editor

2018年9月の半ば、イギリスにあるシューマッハカレッジのショートコースに参加してきました。

シューマッハカレッジは、1973年に出版された『スモール・イズ・ビューティフル ―人間中心の経済学―』の著者である経済学者E・F・シューマッハの名前と思想を受け継いで生まれた、イギリスにある学校です。

私が受講したのは、Bones of Ritualという4泊5日のコースで「アフリカ先住民の文化を通して自分が何者かを知ろう」というものでした。そんな説明ではどんな内容なのかさっぱりわからず、「いったい何を学ぶんだろう?」と参加者の誰もが思っていた不思議なコース。

先住民の価値観に興味があったのと、サティシュ・クマールさんに会えそうだったこと、自分のタイミング的にもここしかなかったので「思い立ったのも何かの縁!」と思って参加することにしました。行く前は不安が80%くらいでしたが、やっぱり案ずるより産むが易し。カレッジのコースを含めた2週間の旅は、様々な気づきがあり、充実して楽しいものとなりました。

シューマッハカレッジは、豊かな森の中にあります。(写真提供:シューマッハカレッジ)

イギリス人の方々に会って感じたこと

ロンドンからシューマッハカレッジの最寄り駅に向かう電車のボックス席で一緒になったのは、アメリカのコロラド州から旅行に来ていた一人旅のおばさまと、イギリス在住のおじさまたち。おじさまたちはゲイのカップルでした。「二人の様子がとても仲睦まじくて素敵だなぁ」と思いながら4人でおしゃべりしているうちに、おばさまの一言から恋バナに。

「二人は、付き合いは長いの?」
「30年以上だよ。ロンドンで知り合ってね」

そうか、そんな風に自然に普通に話せちゃうんだ!と感じました。

私が出会ったイギリスの人はみんなとてもフレンドリーで優しくて、人によってはおせっかいすぎるくらい親切! 学生時代、イギリス人の笑わない怖い先生がいて、私の中で、イギリス人は取っつきにくくて怖いというイメージを持っていたのですが、そんなステレオタイプがすっかり払拭されました。イギリス人のみなさま、これまで誤解していてごめんなさい!

学校のあるトットネスの様子。バスから撮りました。

シューマッハカレッジについて

シューマッハカレッジについて思ったこと。それは、「人はこんなにも温かいコミュニティを作ることができるのか!」ということでした。

たった5日間だったから、いいところだけを見てきたのかもしれません。でも私の目には、この上なく特別な空間に映りました。やっぱり現代の教育は力のいれどころがずれていると感じていて、こんな学校が世界中にもっといっぱいあったら、世界はもっと平和になるのかもしれない、と思いました。

このカレッジは、きっとどんなコースをとっても、ほんの短い期間でも、誰もが何かしら自分なりの気づきを得られる場所。今回受講したコースの具体的な内容は、今後コースを受ける人のお楽しみですので、ここでは触れませんが、興味のある多くの人にこのカレッジを体験してほしいなぁと思います。

印象に残ったのは、シューマッハカレッジが大切にしている “Head, Heart and Hands”です。学校は知識(Head)だけでなく、心(Heart)と手仕事(Hands)も学ぶ場であるべきだ、という考え方です。

本などで読んで頭では知っていた知識を、目の前で見て体験して、腑に落ちたように感じました。日本だったら、先生が見て見ぬ振りをするかもしれないような、人と人との間で生じるちょっとしたトラブルにも、カレッジの先生は、真剣に解決しようと向き合っていました。

アクションを重視する社会に

サティシュが語っていた印象的な言葉があります。

「現代は結果を重視しすぎる。結果よりもアクション自体を重視する社会に変えたい。」

今回の旅も、目的地はシューマッハカレッジでしたが、大切な気づきや楽しさ、印象的な経験や出会いは、学校の授業だけではなく、飛行機や電車、森の中、街の中、思いがけないところにありました。

日々の生活の中でも、思いがけず遭遇する成功や失敗や発見を楽しみながら、結果にとらわれすぎず、「やりたいならやってみよう!」という精神でチャレンジできたらな、と思っています。

美術館の前はアーティストの広場。
自由な挑戦の場となっています(ロンドン)。

(撮影・執筆:Yasuko Sato)

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