Return to work ~ 病気からの復帰(第2回)

2016 / 9 / 29 | 執筆者:Futakuchi Kazuko

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Photo by Pilottage

前回、1本まるごとのレポート翻訳の現場に戻った際のことについてお伝えします、と
書いたのですが、復帰後1ヶ月から2、3ヶ月の時期は私にとってそれなりに
「濃い時間」でしたので、少しペースを落としてお伝えします。

     ◇ ◇ ◇

復帰後1ヶ月の間、ゆっくりではありますが体力もついて、
メールや電話、Skypeの打ち合わせなどで業務を進めました。
初日は、4時間の業務が終わってソファーに横になると
そのまま3時間寝落ち、こんなことで大丈夫かな、と思いましたが、
3日、7日と過ぎていくうちにからだがシャンとしてくるのが分かりました。

原稿を受け取り、翻訳者さんにスケジュールと共に展開して
予定通りに受け取り、チェック、すり合わせをして納品する。
基本のルーチンワークをこなすことに注力していました。

遅くなってしまったタイピングのスピードをカバーしようと
音声入力ソフトを使い始めたのもこの頃です。
また、私が休んでいる間の状況をキャッチアップして、
私の代わりに言語事業を支えてくれていたメンバーの大変さも知りました。
感謝と申し訳なさがないまぜになり、翻訳や調査分析など、
本来の業務に戻ってもらわなくては、と思いました。

一方では「生活そのものがリハビリ」の意味を実感しながら、
好きなものを作って食べ、体重も少しずつ回復しました。
ナースコールや点滴の機械音が絶えず聞こえる日々から、
開け放しの窓から風が吹いてきたり、鳥の鳴き声が聞こえる日常に戻ったうれしさもあり、
自信も徐々に戻ってきました。やっていけそう、と言う感じです。

それでも動きすぎて膝が腫れ上がってしまったり、
退院後に悪化した手足のしびれからくる痛みを緩和するため、痛み止めを増やしたり、
3ヶ月の定期健診の前に、何度か通院する必要がありました。

漠然とした不安が具体的な悩みに変わって、どうしたらそれを乗り越えられるか、
必死に考えていた時期だったのかも入れません。

     ◇ ◇ ◇

そうこうするうちに、前年の翻訳トライアル合格者の方から
フリーランスになりました、とご連絡がありました。
それまでのキャリアでプロジェクト管理のスキルが高かったこともあって、
20ページほどの英語レポートの翻訳コーディネートを一緒に進めることに。

2か月目からの私の勤務時間は4時間から日に6時間程度に伸ばしてはどうだろうと、
会社側は考えてくれていたのですが、
月に130-160時間程度を目安に、体調に応じて柔軟に調整させてほしい、
「仕事の完成度を高める」ことを優先させてほしいとお願いしました。

翻訳の進捗に合わせて、例えば初稿訳の提出が完了したときなど、
作業の節目ではしっかり休み、クライアントと約束した期限を守る。
その積み重ねが必要と感じていたからです。

6月中旬からスタイルシートとスケジュールの作成や体制の準備を始め、
7月中旬にスタート、8月中旬に翻訳を提出し、レイアウトの校正作業を行って
8月末に完成という一連の流れを彼女と一緒に進めました。

実直で研究熱心な方で、次から次と質問攻めにあい、それに答えているうちに
私は一つ一つの作業をリアルに思い出して、作業の抜け漏れがないかチェック。
新しい方と一緒に仕事を進めるのは、回復期の私にとってそのようなメリットとなりました。

先輩としてしっかりしなければと言う緊張感もありましたし、
どんどんと業務になれてスキルアップしていく姿に励まされました。
加えて、明るい性格の方でしたので、スカイプでの進捗確認なども楽しく進みました。
今も最も尊敬し信頼している仲間の1人です。

     ◇ ◇ ◇

実は、この時期にもう1人、私を支えてくれた人がいます。
それは次回に。

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