「野菜を自分で育てる」~育てて、食べて、シェアして楽しい農的暮らし~

2019 / 1 / 11 | 執筆者:EcoNetworks Editor

~このシリーズでは、日々の生活で実践できる「食」にまつわるアクションをご紹介します~

お店に行けば、色とりどり、美味しそうな野菜が並んでいます。国内の旬の野菜もあれば、遠くの国から届いた珍しい野菜もあり、買って食べるだけでも十分満足できますが、野菜を自分で育てることにはまた別の喜びがあります。

手塩に掛けて自分で育てた野菜の味は特別ですし、それに、自分の責任で、自分の好きな方法で育てられる、という良さもあります。

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【アクションNo. 1】プランター菜園を始めてみる
【アクションNo. 2】助っ人で農作業を体験する
【アクションNo. 3】レンタル農園で野菜を育ててみる
【アクションNo. 4】自分の畑を持つ
【アクションNo. 5】講習会やセミナーで農業を学ぶ
【アクションNo. 6】育てた野菜を料理してホームパーティを開く
【アクションNo. 7】育てた野菜を販売する
【アクションNo. 8】就農する
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【アクションNo. 1】プランター菜園を始めてみる

田舎暮らしで畑を持っていないと難しいのでは、と思われるかもしれませんが、都会のアパートやマンションのベランダで、プランター菜園から始めるのも楽しいものです。

一株あればワンシーズン、たくさんの実りをもたらしてくれるミニトマトやキュウリ、グリーンカーテンにもなるゴーヤ、すぐに収穫できる二十日大根などから始めてみてはいかがでしょうか? 買って食べたカボチャやゴーヤなどの種をポットに撒いてみる、というのもありです。狭いスペースをどう活用していろいろな種類の作物を育てるか、という工夫も楽しく、発想が広がりそうです。

どうせなら、プランターにもこだわりたいものです。プラスチック製のプランターは、使い続けているうちに劣化し、土に還らないゴミとなってしまいますが、「生分解性の不織布プランター」や「木と竹のチップからでき、燃やしても有害ガスが発生しないプランター」などもあります。

都会からはじまる新しい生き方のデザイン URBAN PERMACULTURE GUIDE』という本では、ベランダや裏庭で実践できるガーデニングやコミュニティーガーデンなどが美しい写真とともに紹介されていて、見ているだけでワクワクしてきます。

【アクションNo. 2】助っ人で農作業を体験する

プランター菜園の面白さを体験すると、もっと広い畑で野菜を育ててみたくなるかもしれません。

畑で作物を育てるとなると、年中、作物の成長に応じて草の手入れや間引き、収穫などの作業が発生し、そこまでする時間的余裕がない、という場合は、家族・親戚、友人、知人などの畑を手伝うところから始めるという方法もあります。少しずつ実践することで、畑仕事が好きかどうかをゆっくり見極めることもできます。

もし知り合いに畑を営んでいる人がいない場合、周りの人に尋ねてみたりネットで探したりすれば、お手伝いを募集している農家さんが近場で見つかるかもしれません。収穫時期など特に忙しいときだけ、作業を手伝ってくれるアルバイトを募集していることもあります。

【アクションNo. 3】レンタル農園で野菜を育ててみる

自分の畑を持ちたくなったら、畑を借りるか買うか、という選択肢が浮かびます。

いきなり買うほどの決断はできない、という場合、まずは、近場でレンタル農園を探してみるのがおススメです。農林水産省が「全国市民農園リスト」を公開していますが、探せばそれ以外にもいろいろ見つかるでしょう。レンタル農園選びの際、栽培方法に関してルールが設けられていることがあり(たとえば雑草を生やしてはいけない、など)、自分のやりたい方法で育てられるかどうかを確認しておく必要があります。

レンタル農園によっては、管理人に教わりながら育てることができるような場所もありますが、教えてくれる人がいなくても、今では本やインターネットでたくさんの情報が得られます。始めたばかりの頃に役立つ本としては、『100%オーガニックフードを自分で育てる―A4サイズのスペースがあれば、1年間サラダは食べていける』(寺尾朱織 著)、『1㎡からはじめる自然菜園』(竹内孝功 著)、『これならできる!自然菜園―耕さず草を生やして共育ち』(竹内孝功 著)、『自然農・栽培の手引き』(鏡山悦子、川口由一 著)、『固定種野菜の種と育て方』(野口勲、関野幸生 著)などがおすすめです。

【アクションNo. 4】自分の畑を持つ

畑を購入する場合、事前にその場所や周りの環境をよく調べておくと安心です。有機栽培をしたいのに、隣の畑で農薬をシャワーのように撒いていて風に乗って飛んでこないとも限りません。地域によっては、畦や通路に除草剤を撒くことが慣習化しているところもあるので、除草剤の被害を避けたければ事前に確認しておく必要があります。その畑が以前はどのように使われていたかについても分かると安心です。

肥料すら与えない「自然栽培」の場合、さまざまな種類の作物が育つ土を育てるのに何年もかかります。レンタル農園の場合、急に閉鎖する可能性があったり、同じ区画を借り続けることができなかったりしますが、自分の畑であればそういう心配がなく、気長に畑を育てていくことができます。

【アクションNo. 5】講習会やセミナーで農業を学ぶ

畑で有機栽培や自然栽培を始めたばかりの頃は、失敗が付きものです。失敗から学んでいけばいいわけですが、なるべく失敗を少なく、早くいろんな野菜を育てられるようになりたい、という場合、講習会やセミナーで学ぶという手もあります。

たとえば、特定非営利活動法人とくしま有機農業サポートセンターは、毎年「オーガニック・ワーカー(有機農業技術者)養成科」の受講生を募集しており、学科、実技、企業実習を含む半年間の講座を無料で受講することができます(テキスト代は必要)。

【アクションNo. 6】育てた野菜を料理してホームパーティを開く

自分で世話をして美味しい野菜が育つと、その美味しさを独り占めせず、大事な人にも味わってもらいたい、という気持ちが生まれてきます。

気持ちをかけて大事に育てた野菜は、シンプルな味付けのほうが野菜本来の美味しさが際立つので、料理も簡単。サラダにしたり、バーベキューにしたり、寒い時期はスープをつくったり、野菜の味を引き出すような料理をして、家族や友人、仲間たちを招いてふるまうのも楽しいものです。育てた野菜を誰かに食べてもらって喜ばれると、またがんばろう、という気持ちが高まってきます。

【アクションNo. 7】育てた野菜を販売する

野菜を育てるのが上手になってきて、食べきれないほどの野菜が育つようになれば、販売するという選択肢も出てきます。

まずは、身近な人に「販売を始めた」と伝えるところから始めてみるのがいいかもしれません。誰がどこでどうやって育てたのか分からない野菜よりも、身近な信頼できる人が育てた野菜を買いたいと思うものです。

スーパーやレストランなどに販売するには、決まった時期に決まった量を納めなければならない場合がおそらく多く、ハードルが上がりますが、その日に採れた分だけ持っていけるような産直や、たくさん採れたときだけ購入者を募る直売のほうが始めやすいでしょう。自分の敷地に場所があれば、無人販売という方法もあります。

【アクションNo. 8】就農する

最初は自分用、自家用から始め、余裕があれば少し販売してみて、販売するのが向いていると思えば本格的に就農する、という選択肢も生まれます。

最近では、地方に移住して新規就農する人も増えてきています。新規就農者に補助金を提供している自治体もあり、新しい場所で農業を始める場合には調べてみるといいかもしれません。有機農法や自然農法で野菜を育てる場合、土を育てるのに時間がかかり、軌道に乗ってくるまでの初期の頃にはそうしたサポートも役立つでしょう。

栽培や販売の方法を工夫すれば、必ずしも大きな農地をもたなくても安定した収入を得られる方法が見つかるかもしれません。「日本一小さい専業農家」と言われている、石川県在住の西田栄喜氏の著書『小さい農業で稼ぐコツ 加工・直売・幸せ家族農業で30a1200万円』が参考になります。

市場全体では、オーガニックの野菜の割合はまだわずかですが、「この美味しさをたくさんの方に味わってもらって、みんなに健康になってもらいたい」というような思いから就農される方が増えれば、身体にやさしい野菜にもっと出会いやすい世の中になるでしょう。

【ライター紹介】
硲 允(Makoto Hazama)
https://hazamamakoto.blogspot.com/

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