何のためのCSR? 投資家の思うこと
2008年06月12日 |
昨日、「責任投資とCSRの新たな潮流 - ESGでのマテリアリティ」
http://www.sotech.co.jp/topic/seminar1.html
というセミナーに参加をさせていただきました。
CSR活動を、多くの投資家は冷ややかに見ている。
このことが、ポジティブな意味で、よくわかりました。
いくつか印象的だった点を以下に。
・「6~8%」
年金基金はほとんどSRI(社会的責任投資)に流れていません。
その背景の一つとして、国内株では6~8%の要求リターンがあり、これが最大の
使命であることがあるようです。投資対象を狭めるようなことは自ら首を絞めることに
なりかねません。なるほど、年金を預かる投資家の頭の中は、
6~8%という数字でいっぱいのはずです。
・「責任は誰がとる?」
これもその通りと思った点。もしファンドのパフォーマンスが悪かったときの責任は、
誰がとるのか、というのです。ファンドマネジャーなのか、CIO(Chief Investment Officer)なのか、
チームなのか。うーむ。
・「企業価値」
ステークホルダーは立場によってそれぞれ関心ごとが違いますが、投資家の関心は、
ずばり、「企業価値」。つまりは、持続的な成長を担保するための手法がいかに
確立されているか。本セミナーを主催された創コンサルティングの海野社長によると、
「企業価値とは、将来に向かって生み出される事業への期待の総和であり、資本市場は
将来志向(forward-looking)がベース」。
要するに、CSRの「こうしています」「これをしました」はそれはそれでいいが、
「それで、企業価値があがる仕組みができているな」と思えるかどうか。
・「エモーショナル」
原子力発電の事例。数年前までは原子力撤廃の国際的な流れだったのに、いまや温暖化も理由の一つとなり急に原子力発電が事業として期待されてきた。世の中のエモーショナルなブームやムードに、投資家は慎重にならざるを得ない、とのこと。確かに。メディアも、人々の関心をあおり、「消費」している。だから、世論に振り回されてはいけない、ということ。これも確かにその通りだな、と。
投資家の腕がためされるのは、気候変動と世論の関わり、ということでしょうか。
全体として投資の運用側の方々の発言から感じたのは、
「サステナビリティありき」、ではない、ということ。
そうすると、いかにサステナビティにコミットしている
といっても、ピンとこないでしょう。
むしろ、「リターンありき」。
この点をしっかり認識できたことが大きな収穫でした。
